『Labelled』コレクションにちなみ、その道のエキスパートとともに整理整頓について考えるワークショップ。ロンドンで、東京で、Instagram Live上で、いままでに開催したセッションをご紹介いたします。

How to Make The Most Out of Your Treasured and Memorable Experiences
- Top Tips from Tatsuya Kaneko

アイディアをまとめてくれるもの
金子 辰也

「心動かされたものを積み上げて、そして役立てるには」

ジオラマの制作とは、1本の映画を1人でつくるようなもの。テーマ、脚本、大道具、小道具などを頭の中で考えて、ほぼ絵ができあがったら、実際に手を動かして制作に入ります。

子供のころから、色々なことを「おぼえる」のはあまり得意ではなく、それより、感じたこと、感動したことが、海の底に沈殿していくように堆積していく、そうした感覚を大切にしていました。実際、そうして積み上がったものが、これからつくるものの考えをまとめるのに役立ったりします。記憶の断片を、自分なりに整理整頓して、必要なときに引き出しから取り出しているのかもしれません。

そうしたものは、旅や人との出会い、ふれあいのなかで得たものでしょうから、ネット上でのバーチャルな「体験」より、リアルな経験を積み上げていくことが、やはり大切なような気がしています。

How to Reorganize Your Skills and Information for New Endeavours
- Top Tips from Mai Sakamoto

整理整頓は、創作の第一歩
酒本 麻衣

「モノだけではなく、情報や技術も棚卸し。そこから新たな活動へ」

私にとって、整理整頓、ものを片づけるということは、常にクリエイション=創作活動の最初の第一歩。なにかをつくることの、最初に位置するものとして、大切にしてきました。

自分の持っているモノを見直すということだけではなく、入ってくる情報や、仕事の道具、技術、スキルといったことも見直して、引き続き使っていけるのか、そうではなくていったんしまっておくのかという「棚卸し」をしてから、新しいことを進めていくのです。

今から1年半ほど前に、かつてない規模で人生最大のお片付けをしたら、その1週間ほど後に娘を授かっていることがわかりました。そうすると(娘とともに)こういうふうに暮らしたい、こんなふうに生きたいといったアイディアがどんどん湧いてきて。今は、そうした大きなクリエイションに、人生すべてをかけて取り組んでいる、そんなふうに感じています。

How Not to Make Things in Your Bag Grow
- Top Tips from Kayoko Higashino

持っていくもの、置いていくもの
東野 香代子

「増え続けるバッグの中身を、これ以上増やさないために」

人間は失敗に学びますから、たとえば、あるとき真っ赤な口紅をもっていればという場面に遭遇し、家へもどると化粧ポーチに口紅を追加。あるときはボールペンを忘れて困ったので、これも化粧ポーチに追加。こうやって、荷物は増えていくようです。

荷物を減らすには、捨てるか諦めるしかありません。旅先で必要になれば買えばいいと割り切る。でも買えないものは持っていく。私の場合は、ハンガー。ホテルに備わっている安物ではなく、ふだんからのお気に入りを。ホテルの部屋へもどって、ジャケットをハンガーに掛けてふーっと息をつく、その瞬間のためにハンガーを持っていくのです(そのために、なにかを省きます)。

ココ・シャネルの名言に「出かける前に、鏡を見てアクセサリーをひとつ外しなさい」というのがあって、私の整理整頓のモットーは、これ。必要なものを揃えた後、なにかひとつ不要のものを抜くのです。

Manage Your Inbox - Top Tips from James Harwood

情報のマネジメント
ジェームズ・ハーウッド

「すべては、その意味と合致する場所に収めるべき」

あなたの頭は、アイデアを生み出すためのものであって、それを置いておく場所ではありません。「やるべきこと」として頭の中にあるあれこれを、実際に書き留めることでいったん頭から追い出し、すっきりしたうえで、思索やクリエイティブなことへと向かいましょう。

何かをするときに、それが2分以内でできるのであれば、その場で済ませてしまう。そうした「2分ルール」を設けてみましょう。

To Doリストは、なんでもかんでもを書き付けるのではなく、例えば、ショッピング用のリスト、家にまつわること、コンピュータに関すること、車の中から電話できる相手など、その行動に即したリストに分けましょう。

james.harwood@next-action.co.uk / +44 (0) 7956 562 411 / www.next-action.co.uk

How to Organise Your Home - Top Tips from Vicky Silverthorn

お家のオーガナイズ
ヴィッキー・シルバーソーン

「一度に全部をなどと考えず、少しずつを実践して全体を片づけること」

キッチンでは、日々使うものをいちばんアクセスしやすい位置に置き、お客様用のディナー・セットなど、時々しか使わないものは高い位置にある棚や、別の場所に保管しましょう。(中に入っているものを記したラベルを貼ることを忘れずに!)

キッチンでは、日々使うものをいちばんアクセスしやすい位置に置き、お客様用のディナー・セットなど、時々しか使わないものは高い位置にある棚や、別の場所に保管しましょう。(中に入っているものを記したラベルを貼ることを忘れずに!)

バスルームでは、まず使用していないものを廃棄しましょう。開封前のものは寄付するなどし、バスルームのバスケットは、必要なものだけがそこにある「ほとんど空の状態」にします。残量の減り具合などを確認しながら、日々必要なものを再認識しましょう。

vicky@youneedavicky.com / +44 (0) 7487 792096 / www.youneedavicky.com

How to Organise Your Imagery - Top Tips from Olivia Norman of At Last Creative

写真や画像データの整理法
オリヴィア・ノーマン

「写真を整理するときに、思い出に浸ってはダメ。仕事と捉えれば、作業が楽しくなります」

プリントした写真の整理をはじめるときは、十分な時間とスペースを用意して。油性のボールペン、メモ用紙、付箋、アシッドフリーのテープ(スティック糊やスプレー糊を使うことは避けて)も揃えましょう。

スキャンしたデータやデジカメのデータを整理する際には、分類しやすく、わかりやすいフォルダーの構成を考えましょう。たとえば、家族のメンバー、あるいは友人ごとのフォルダーを作成し、そこにお気に入りの画像を収めていきます。そうすれば、いずれ誕生日や記念日の際に、このフォルダーが役立つはずです。

スマートフォンで撮影した画像データは「Dropbox」などにバックアップし、スマートフォンに残すのは、昨年から現在までのデータにしましょう。これで、画像データ用の空き容量も確保でき、過去のデータも安全に保管できます。

olivia@atlastcreative.com / +44 (0) 7855 256345 / www.atlastcreative.com

How to Declutter Your Life - Top Tips from Gill Hasson

人生の整理整頓
ジル・ハッスン

「ひとたび整理整頓を成し遂げれば、その状態を維持することは、それほど大変でなはい。そのメリットを考えてみて」

また必要になるかもしれないと、捨て去る踏ん切りがつかないものたち。そういった状態を「恐れによる混沌」と呼びます。でも必要となれば、借りることもできる、新たに買うこともできる。そう考えて、ここから脱出しましょう。

また以前のように、もう一度身に着けたい、使いたいと考え、捨てられないアイテムたち。「希望による混沌」には、過去ではなく現在を、という前向きな気持ちで対処しましょう。後ろ向きな気持ちを振り払って、今を彩ってくれているアイテムたちのためのスペースを生み出しましょう。

過去の幸せな思い出に結びつく、それゆえに捨てられないアイテムたち。「過去による混沌」には、選択をもってあたります。どうしても残しておきたい、というアイテムだけに絞り、置き場所を確保するほどでもないアイテムとは決別し、前へと進みましょう。

gillhasson@btinternet.com / www.gillhasson.co.uk

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