

About Anya
アニヤ・ハインドマーチは、1987年にロンドンで自身のブランドをスタートさせ、以来成長を続け、いまではグローバルに認知されるブランドとなりました。高級感と同時に機能性を重視したバッグやアクセサリー、サステイナブルであろうとするさまざまな試み、そして常に楽しさを前面に……そうしたことがブランドの特徴であると理解されているはずです。
クリエイティビティとモダンなクラフツマンシップ、そして「パーソナライズすることができる」ということ、この3つは、アニヤが常に大切にしてきた要素です。2001年、お客さま自身の大切な写真を転写することで、パーソナライズの今日的なあり方を初めて提示したのが『Be A Bag』でした。そして2021年、前年よりのコロナ禍を通じ、家族や友人と過ごす時間ほど大切なものはないと、今まで以上に感じさせられたこの年に『Be A Bag』は復活しました。ロンドンの『Bespoke』ストアでは、常駐するクラフツマンが、旅行用のバッグにイニシャルを加えたり、クラッチには刺繍でモノグラムを、またはお客さまの手書きのメッセージやイラストの刻印をさまざまなアイテムに施します。それは、いまでは失われてしまった、お客さまとクラフツマンの「接点」を復活させる試みでもあり、アニヤ本人の言うように、「私の名前ではなく、お客さまのお名前が前面に出るべきもの」なのです。


ものづくりにおける責任をまっとうすること、地球への負荷を低減する新たな方策を見出すこと、ブランドとしての活動を通じ、サステイナブルであるということについてのメッセージを発信し議論を深めていくこと、アニヤ・ハインドマーチはこうしたことに取り組んできました。2007年には『I’m NOT A Plastic Bag』で、プラスチックバッグ(レジ袋)の使用に関する議論に火をつけ、結果として英国でのレジ袋有償化へとつながりました。また、2年をかけ新たなリサイクル素材の開発に取り組むことで生まれたのが、2020年に発表した『I AM A Plastic Bag』で、使用済みのペットボトル(500cc)32本から1つのバッグが生まれます。2021年、さらに歩を進めて、スーパーマーケットとのコラボレーションによる『Universal Bag』をスタートさせ、再利用できるショッピングバッグについて再考します。また『Return to Nature』は、新たな革のなめしと仕上げの技術を用いることにより、バッグとしての使命を終えた後、生分解により土に還るバッグを目指しています。サステイナブルについて考える際には、常に「完璧を求めるのではなく、前へと進むことこそ重要」という考えに沿って行動しています。


2021年に、ロンドンのチェルシー地区、ポント・ストリートにオープンした『The Village』は、お店やカフェが連なるコミュニティです。新たなコンセプトやコラボレーションの展示、エキジビションなどを行う『Village Hall』がその中心。そこは、アニヤ・ハインドマーチというブランドが進めるプロジェクトを提示し、実際に人々と出会い、コラボレートする人々が訪れる場所です。ここでのできごとは、すべてネットなどを通じ世界中へと発信していきます。これまでに、ヘア・サロンや昔ながらの八百屋さんを模したイベント、『Return to Nature』のローンチに際してのインスタレーション/ポップアップなどを開催しました。『Anya Cafe』では、ケーキやビスケット、アフタヌーン・ティー、食前酒などをお楽しみいただけます。そのすべてに、トレードマークともいうべき「ユーモア」を添えています。
アニヤは、英国のデザイン、アートの支援活動の一端として、『The Royal Academy of Arts』『The Design Museum』の名誉評議員を務めています。2017年には、英国のファッション産業への貢献に対し『CBE』勲章を受勲。このほか『Accessory Designer of the Year awards; a British Fashion Award』なども受賞しています。また、医療機関『Royal Marsden』の評議員をも務め、2021年には初の著作『If In Doubt Wash Your Hair』を上梓しました。