I AM A Plastic Bag
「2007年の『I’m NOT a Plastic Bag』では一定のインパクトを残すことができましたが、使い捨てにされるプラスティックの問題が解決したわけではありません。しかしながら、単にプラスティックの使用を減らすよう「心がける」といったことから、ものをつくる過程に「循環」という考えを織り込むことへと、めざすところは移っていったのだと思います。そうしたことを考えながら、2年間を費やして生まれたのが『I AM A Plastic Bag』です」。
アニヤ・ハインドマーチ
Shop The Collection
地球上には80億トンのプラスティックがあるといわれますが、それを捨てようとしても、そんな場所は存在しないのです。小さな一歩かもしれませんが、すでにあるものを再利用することから『I AM A Plastic Bag』コレクションは生まれました。新たに開発したコットン・キャンバスを思わせる風合いのファブリックを用いたバッグ1つが、500ccのペットボトル32本を再利用することで生まれます。ファブリックの表面は、自動車などのフロントガラスをリサイクルした素材でコーティングを施し、長く使っていただけるデザインを採用しました。
Personalisation
Our Statement
ロンドン・ファッション・ウィークの期間中、イベントを開催する代わりにロンドン市内の店舗を3日間休業し、店内を使用済みのペットボトルで埋めつくし、捨て去られるペットボトルへの注意を喚起します。必要となるボトルは90,000本以上、これをアニヤ・ハインドマーチのスタッフが身近な場所から集め、持ち寄ります。膨大な数に聞こえるかもしれませんが、英国内では8.5分ごとに、これだけの数のペットボトルがゴミ処理場へと運ばれているのです。
The Bottle-o-Meter
あなたがこのページに立ち寄ってくださった時点から、英国内で、これだけの数のペットボトルがゴミ処理場へと運ばれているのです。
How it’s done
『I AM A Plastic Bag』を誕生させるまでには、2年の年月を要しました。実際のバッグができるまでをご覧ください。
Our Journey
『I AM A Plastic Bag』を誕生させるまでには、2年の年月を要しました。しかしながら、私たちの「旅」は、それをさらに10年以上遡る時点、『I’m NOT A Plastic Bag』を発表したときからはじまっていたのです。
I’m NOT a Plastic Bag
『I AM A Plastic Bag』を誕生させるまでには、2年の年月を要しました。しかしながら、私たちの「旅」は、それをさらに10年以上遡る時点、『I’m NOT A Plastic Bag』を発表したときからはじまっていたのです。
アニヤ・ハインドマーチが2007年に手がけた『I’m NOT A Plastic Bag』は、広告代理店である「Antidote」、社会変革をめざす団体「We Are What We Do(現在のShift)」とのコラボレーションの一環として展開したプロジェクトでした。限定販売のキャンバス・トートの発売日には、英国のスーパーマーケット『Sainsbury’s』に8万人が列をなし、その後、各国の都市で同様の現象が続き、これが世界中のメディアで報じられたことから、プラスティック・バッグ(レジ袋)をめぐる議論を加速させることとなりました。英国では、その結果としてレジ袋の有料化へとつながりました。
英国内で、2006年に106億枚用いられていたレジ袋が、このキャンペーンを経て、2010年には61億枚にまで減ったという報告があります(The British Retail Consortiumによる)。スーパーマーケットの『Sainsbury’s』では、2007年からの2年間で、無料のレジ袋使用量を4割強(約3億枚)削減し、これは新たなプラスティック13,200トンの生成を抑制したことになるとのことです。
私たちは、アニヤ・ハインドマーチというブランドとそのビジネスが、サステイナブルであることをめざします。
そのうえで、私たちは「Positive Luxury」に対し、「Butterfly Mark」を申請し、これを受理しています。
How It’s Done
『I AM A Plastic Bag』には、ペットボトルから生成した糸を織ってできたファブリックを用いています。現代のクラフツマンシップというべき技術です。
ペットボトルを分類し、砕き、洗浄した後にペレット状にしたものを、溶かし、繊維として取り出し、これを織ることでファブリックができあがります。
じょうぶさと耐水性を確保するために、このファブリックには、自動車などのフロントガラスをリサイクルした素材(PVB:ポリビニルブチラール)でコーティングを施しています。この技術の実用化は、おそらくはじめてのものと思われます。
バッグには、レザーを用いトリミングを施しています。当初、トリミングには合成皮革、あるいはリサイクルしたレザーを用いるというプランもありましたが、さまざまなリサーチの結果、こうした素材を用いることは、許容量以上のポリウレタンを使用することになるため、信頼できるサプライヤーによるレザーを用いることにしました。
用いるレザーは、北イタリアのタンナリー(なめし工場)が食肉産業の副産物として提供しているものです。このタンナリーは、レザー・ワーキング・グループ(環境基準監査の国際団体)より「ゴールド」の評価を得ており、森林破壊にはつながらない放牧により育てられた、トレーサビリティを確保できる素材のみを用いています。
金属パーツは、ステンレスにゴールド・カラーの被膜をPVDと呼ばれる手法でコーティングしています。これにより、通常の「メッキ」などとは異なり、廃液などの化学的な廃棄物を排出しません。
Progress Not Perfection
2年の歳月を費やし、新たな素材とコーティングの技術を、リサイクル技術の先駆的存在である台湾の企業とともに開発しました。この素材を用い、イタリア、フィレンツェの工房にて製品として完成させます。それは、ほかのコレクションのアイテム同様、しっかりとしたクラフツマンシップに裏打ちされた製品とし、長くお使いいただけることを願う気持ちからです。
用いるレザーは、イタリアで調達しています。現在は、リサイクル素材から生まれるファブリックをイタリアで生産すべく、パートナーをイタリア国内で探しています。その理由は、すべての素材をできるだけ狭いエリアで調達することが理想的だという考えからです。それも、そう遠くない日に実現することでしょう。つねに革新とは、完成形ではなく進行中のものなのですから。
Inspiring Stories
このプロジェクトを準備するなかで、廃棄物処理の問題と向き合っている「ブランド」と私たちは出会いました。詳しくは、クリックしてお進みください。