I Am A Plastic Bag FAQ's
このコレクションの準備には、どれくらいかかったのですか?
2年間です
バッグは、なにからできているのでしょう?
コットンのような風合いのキャンバスを用いていますが、このキャンバスは、リサイクルされたペットボトルから繊維を抽出し、これを織ることでできあがります。キャンバスには、自動車などのフロントガラスをリサイクルした素材(PVB:ポリビニルブチラール)でコーティングを施しています。
バッグはどこで作っているのですか?
バッグに用いるキャンバスは、私たちのために台湾の企業が開発したものです。台湾は、プラスティックのリサイクルに関しては先駆的存在で、コーティングの技術とあわせ、この素材は台湾でのみ製造が可能なのです。
実際にバッグとして仕上げるのは、イタリア、フィレンツェにおいてです。一部にレザーを用いていますが、これはレザー・ワーキング・グループ(環境基準監査の国際団体)より「ゴールド」の評価を得ているイタリアのタンナリー(なめし工場)が提供しているものです。
バッグとなるペットボトルは、どこからやってくるのですか?
台湾国内です。台湾政府が主導しているペットボトルの回収事業により集められたペットボトルを用い、これを素材としてキャンバスを作っています。
なぜ、トリミングにレザーを使っているのですか?
様々な方法を検討してみた結果、レザーを用いることが最適だと判断しました。合成皮革、あるいはリサイクルしたレザーを用いるというプランもありましたが、往々にしてこうした素材は多くのポリウレタンを含んでいるのです。
使用しているレザーは、イタリアのタンナリー(なめし工場)が食肉産業の副産物として提供しているものです。このタンナリーは、レザー・ワーキング・グループ(環境基準監査の国際団体)より「ゴールド」の評価を得ており、森林破壊にはつながらない放牧によりヨーロッパ内で育てられた、トレーサビリティを確保できる素材のみを用いています。
植物由来のものも探して、興味深いものもありましたが、私たちが求める品質という点ではまだまだという結論でした。しかし、この可能性については今後も追求していこうと考えています。
『I'm NOT A Plastic Bag』よりも高価なのはなぜですか?
完成に至るまでが、簡単ではなかったからです。理想を現実のものとするために時間を費やし、実現には現代におけるクラフツマンシップともいうべきものが必要でした。こうしたものづくりは、費用がふくらみがちですが、それでも、遠くない時期にこうした考え方が普遍的なものとなり、コストが減少していくことに期待しています。
他のコレクションにも、サステイナブルな素材を使う予定ですか?
取り組みをはじめています。まず、現在すでに所有している素材については、廃棄するのではなく優先的に利用すべきだと考え、これを実行しています。同時に、リサイクルされたナイロンやサテンなどを用いる準備を進めています。レザーは、レザー・ワーキング・グループ(環境基準監査の国際団体)より「ゴールド」の評価を得ているイタリアのタンナリー(なめし工場)が提供しているものを用います。ダスト・バッグに用いるコットンも、BCI(Better Cotton Initiative)コットンへと変更していきます。
印刷物はできるだけ使用しないこととし、必要となるカードや包装紙などについては、FSC(Forest Stewardship Council:森林管理協議会)認証を受けたものを使用し、植物由来の梱包用テープやソイ・インクを用いるようにします。私たちのビジネスのあらゆる分野において、こうした取り組みを続けていくようにします。
このバッグは、リサイクルできますか?
はい。私たちの手もとにお戻しいただければ、リサイクルさせていただきます。
ロンドン・ファッション・ウィークの期間に、ロンドンのお店をクローズしたのはどうしてですか?
使い捨てにされるプラスティックの問題について、人々の注意を喚起したかったからです。たとえば、英国だけでも年間に55億本ものペットボトルが捨てられています。このインスタレーションを目にし、受け取ったメッセージを家族などとシェアしてもらえればと考えたのです。
店内を埋めたペットボトルは、どこからやってきたのですか?
アニヤ・ハインドマーチの全スタッフと、実際にインスタレーションの設営を行った「StudioXAG」や、「First Mile」、「Grundon」といった資源回収に関わる企業の協力を得て集めることができました。
インスタレーションの終了後、ペットボトルはどうしたのですか?
すべてのペットボトルは、新たなボトルの原料とすべく「Clean Tech」に引き渡しました。彼らは、英国最大級の使用済みペットボトルの処理施設をリンカーンシャーで運営しており、食品用再生プラスティックの代表的な製造業者です。英国国内で使用され、廃棄されたものを用い、国内で新たなものを製造しています。ペットボトルも、こうしてリサイクルされ新たな命を与えられるわけですが、これにより、ゴミの削減と同時に、新たな原材料を節約することができるわけです。
店舗を埋めるには、何本くらいのペットボトルが必要でしたか?
9万本以上が必要でした。アニヤ・ハインドマーチのスタッフが中心となって集めました。大変な数字に聞こえるかもしれませんが、世界中で、8.5分ごとに、これだけの量のペットボトルがゴミ処理場へと運ばれているのです。
このプロジェクトを進めるうえで、二酸化炭素の排出に関してなにか行動されましたか?
気候変動問題に関するコンサルタントである「EcoAct」にコンサルティングを依頼し、『I AM A Plastic Bag』プロジェクトが「カーボン・ニュートラル」になるよう排出量の管理をはじめています。
「バタフライ・マーク」とは、なんですか?
私たちは、アニヤ・ハインドマーチというブランドと、そのビジネスがサステイナブルであることをめざします。「Butterfly Mark:バタフライ・マーク」はその証ともいうべきもので、発行団体である「Positive Luxury」より、ブランドとしての活動に対し、企業統治、社会・環境への取り組み、地域社会への影響、革新性といった観点から総合的な評価を受け、その結果としてこのマークを受理しています。